自由民主党青森県政経セミナー
平成29年07月23日
7月23日、大島理森衆議院議長並びに拓殖大学総長、元防衛大臣森本敏氏を講師に迎え青森県政経セミナーを開催、はじめに、江渡聡徳会長が主催者を代表し挨拶、続いて滝沢求参議院議員、津島淳衆議院議員の地元国会議員が挨拶、大島議長、森本氏の講演の後、三村申吾知事から来賓挨拶があり閉会した。講演の主な内容は下記のとおり。
【多くの方にご来場いただいたセミナー会場の様子】
【「自民党はしっかりと責任を果たす政党であり、安倍政権はこれまで経済を立て直すため着実に具体的な政策を示し歩んできた。政治家は、政策をどう実行していくかであり、より良い生活を送ることができる社会づくりに邁進する。自由民主党にはこれからも色々あるが、これからも果敢に政策を示し、しっかりと歩んでいきたい」と挨拶する江渡聡徳会長】
【「6月、国会でテロ等準備罪を盛り込んだ法案が成立し、まさに国民の命と生活をしっかりと守るため、国際社会と連携をとるために非常に重要な法案である。オリンピックが控える中、テロからしっかりと守り抜く法律が施行されており、丁寧に、法案に対する説明責任を果たしていきたい」と挨拶する滝沢求参議院議員】
【「自民党は今こそ野党になった頃の原点に帰らなければならない。お支えいただいている地域の皆様の声にしっかりと応え、議論して、わかりやすく丁寧にご説明するということを地道に繰り返し、確かな信頼を築き上げる、その一翼を担っていきたい」と挨拶する津島淳衆議院議員】
【「本県の観光は、インバウンドのお客様が約4倍と伸びており、国際空港がない分、函館、千歳、仙台、全てのルート上で青森に来ていただき、実際に泊まってくれる立体観光の仕組みづくりを進めてきた成果です。攻めの観光、物販、やはり経済、モノが動いて、人が動いて元気な地域をつくるためには、安定した形での連携というものが重要ですので、力をあわせて進んでいければと考えている」と挨拶する三村申吾知事】
〇大島理森衆議院議長講演要旨
国とは何なのかを考えてみると、憲法を持つということである。
われわれが生活している上で、最も基本的な事柄を制御するのが憲法で、憲法を基本に全ての人が国家というコミュニティの中で生きている。
だから憲法というものは大変大事なものであるということを改めて共有したい。
憲法には安全保障の他にも天皇制など色々なことが書いており、安倍自民党総裁は憲法について、かなり具体的な自分の思いを述べられた。
憲法改正論議というものは、最近始まったものではなくて、平成12 年、中山太郎先生が非常に熱心に取り組み、国会に議論をする場をつくった。
憲法の改正を決めるのは国会議員ではなく国民である。
しかし、憲法で具体的にどうするかということは何も決まっていなかったため、与野党で議論をしながら、平成26年6月に国民投票法の一部改正を行って初めて、施行されることが可能になった。
歴代の憲法審査会で、主要政党が大変な議論をして今日まできており、国民主権、基本的人権、平和主義の堅持など共通認識を持っている。
憲法改正の発議には、衆議院議員100人、参議院議員50人以上で発議することができ、本会議にかけ、衆議院の総定員の3分2以上の賛成、参議院の3分の2以上の賛成で、国民投票にかけることができる。
そして、有効投票の2分の1で、改正が成立するという大変な手続きである。
国民の皆さんが最終的に投票するということで、憲法については、責任感を持って見ていただきたい。
〇森本敏拓殖大学総長、元防衛大臣講演要旨
日本の脅威認識というものは、北朝鮮に対しては深刻で重大であり中国に対しては懸念を表明するという表現になっている。
私は北への脅威、中国への懸念はそういう風に簡単に区別していいのかと疑問に思っている。
北朝鮮の基本的方針は、核兵器をアメリカの本土に到達できる状態にし、それを理解させ、アメリカから手出しをされない核抑止力を持って、体制の生存を確証する、同時に、アメリカと対話ができるステータスを維持するという目標を持っている。
韓国は北との軍事交流の対話、離散家族を巡る赤十字対話を提案したが、北朝鮮は反応していない。
断定的に申し上げると、確実に核兵器がアメリカに届くということを確信させるまでは、どこの国とも交渉に応じないという考え方を持っているのではないか。
アメリカはレッドラインを指定していないので、どこまで北朝鮮の開発が進んだらアメリカが手を出すのかは明らかにしていません。
アメリカの首都に届く核兵器が開発されると、レッドラインに限りなく近づくのではないか。
中国は北朝鮮の核実験の内容によっては石油の供給を断ち切る考えですが、北朝鮮は核兵器を持ってアメリカを脅かす能力を持つことによって、自国の生存、体制の維持を目論んでいる。
もし北朝鮮が混乱に陥った時、一番大きなポイントは、中国はどういう対応を取るかということで、中国が全面的に北挑戦と組むと大変やっかいであり、そういう意味で、朝鮮半島の本当の脅威は中国で、北が脅威、中国が懸念という表現は、どちからと言えば逆である。