自由民主党青森県政経セミナー

平成30年07月14日

 7月14日、大島理森衆議院議長並びに岸田文雄政務調査会長を講師に迎え「青森県政経セミナー」を開催、はじめに、江渡聡徳会長が主催者を代表し挨拶、続いて滝沢求参議院議員、木村次郎衆議院議員、津島淳衆議院議員の地元国会議員が挨拶、大島議長、岸田政調会長の講演があり閉会した。
 講演の主な内容は下記のとおり。

【多くの方にご来場いただいたセミナー会場の様子】

【「西日本豪雨災害の一日も早い復旧・復興に対し、自民党が一丸となり汗を流させていただきたい。国政では、働き方改革が法案として通り、青森県の主力である中小企業の方々にとって、どうより良い環境で働くことができるのか、きちんとバックアップしなければならない。国全体の経済はかなり良くなったが、逆に言えば、青森県にはまだまだその波が少なく、私たちは、これからも青森県が足腰の強い経済になれるよう頑張っていきたい」と挨拶する江渡聡徳会長】

【「先月、自民党公認候補としての推薦を決定いただき、身の引き締まる思いであるが、1年間という長丁場となるため、ご指導をいただきながら、着実に戦いの歩みを進めていきたい。日本経済回復の暖かい風を、しっかりと中小企業の皆様に届けることが必要であり、青森に仕事と人の流れをつくり、そこに住む皆様の意見を拝聴しながら、災害に強い街づくりを進めていきたい」と挨拶する滝沢求参議院議員】

【「青森県は様々な課題を抱え、つい先日も人口減少率が全国ワースト2位という報道があるし、最近では、つがる地方を中心に黒星病が蔓延しているという懸念も広がっている。党として、様々な地域の声を受けとめていきたい。私自身、昨年の総選挙で国政の場に送り出していただいた。これから市議選、統一地方選挙、知事選挙、参議院選挙があるが、皆さまと一丸となり、微力ながら戦い抜くことを誓いたい」と挨拶する木村次郎衆議院議員】

【「フェイスブックでやりとりをしていると、被災された方に青森県出身の方が多いことに気づかされる。青森と西日本をしっかりと助け合いの気持ちで結びつけることが、一つの使命ではないかと思う。青森にとっても、いつ何時災害がやってくるかわからず、その時の備えというものもやっておかなければならないし、豊かな青森を引きついでいく責任がわれわれに課せられている。参議院まで1年、一つひとつの選挙を大事に戦い、勝利をつかみ、その集大成として、参議院に必ず勝ちましょう」と挨拶する津島淳衆議院議員】

〇大島理森衆議院議長講演要旨

 西日本豪雨について、衆議院では11項目にわたる決議を行った。全ての国会議員を含め対策にあたらねばならならず、与党の政策責任者の岸田さんには、その先頭に立っていただいている。
 長いスパンで日本を考えると、今年は、明治150年という節目の年であるが、江戸から明治に移った時代は、近代化ということでまっしぐらに歩み、太平洋戦争後は、日米同盟の中において経済成長を目指して歩んできた。
 ベルリンの壁崩壊後は、グローバル化、情報革命で、市場主義という言葉はアメリカ、日本、EUだけのものではなくなっており、今後、われわれが進むべき方向は、多様性のある社会をつくることができるのかどうかである。
 男女の社会参画、地域の活性化こそ多様性をつくるポイントであり、国際社会で、多様な生き方をしている人々をどう受け入れ、どう仲良くしていけるのか、多様性の中に新しい豊かさをどうつくるか、それが、若い先生方の次の課題であり、そういう時代に、日本は十分対応できると確信を持っている。
 今国会を振り返ると、変わったと思うことが2点ほどあり、一つが、政治の世界に女性の活躍を広げたいという議員立法をつくり成立したことで、できるだけ、男女均等に政治の場で働く姿を見せて欲しいという内容になっている。
 もう一つは、若い議員の皆様が、国会の改革をしなければならないという取り組みをスタートし、超党派で多くの議員を巻き込み、今の時代にふさわしい国会改革をしようという議論をしていて、志を評価したい。
 憲法に書かれている国会の大変な権限や責任をどのように果たしていくか。
 もちろん、政党もその役割を果たさなければならないが、そういう観点から問題提起をして悩み、結論を出そうとすることに、日本の新しい政治の兆しを感じる。

〇岸田文雄政務調査会長講演要旨

 今回の西日本豪雨は200人以上の方が亡くなり、行方不明の方も大勢おられる。この被害を前に、まずは現地においてしっかりとした救助に努め、その後に、政治の立場からも、財政的な負担を懸念して躊躇することがあってはならないということで、現地の取り組みをしっかりと支えていかなければならない。
 前回、青森に来たのが去年4月、私が外務大臣の時であり、日本の魅力を世界に発信にするためであった。日本の魅力は、東京や大阪、大都市だけにあるのではなく、多くの外国の方々から見ると地方にこそある。青森県は自然、農業をはじめとする産業、歴史、食文化と素晴らしい魅力にあふれている。
 青森のリンゴは、明治27年、当時の清国に出荷されてから、海外に向けてどんどんアピールされてこられ、ロシアや東南アジアから始まり広げた販路は、今は台湾を中心に輸出されており、三村知事もずいぶんトップセールスをされておられる。
 リンゴ人気が、青森人気に繋がっているということで、外国人観光客の伸び率が、青森は東北の中でも飛び抜けて高い伸び率を示し、2017年の段階で、外国人宿泊者数が、伸び率が66.55%、これは東北のみならず全国でもトップで、これも、様々なトップセールスをはじめとした努力の賜物だと思う。
 青森県にある自然、食文化、伝統文化、これをいかに活用し、地域の活力に繋げていくのか、そのために自民党としても、国の政治としてもバックアップをしていきたい。

 国政で取り組むべき課題をまず一つ上げるとすれば、北朝鮮問題であり、国民の命や暮らしに直結する話である。去年まで、金正恩委員長のものとで、6年間に4回の核実験を行い、55発の弾道ミサイルを撃った国が、6月27日の米朝首脳会談後に対話路線、あるいは融和路線に転換しているが、忘れてはならないのは、今現在、実態は何も変わっていないということで、引き続き、北朝鮮から具体的な、建設的な行動を引き出すことができるかどいうかを見ていかなければならない。
 自民党が政権に復帰して5年半になるが、日本の経済は変わり、GDPを見ても、企業収益、雇用、ずいぶんと変化が生じているのは間違いない。
 今、成長の果実をしっかりと青森県に届けるためには、一人ひとりの賃金に振り向け、所得、賃金を引き上げることによって成長の果実を感じてもらい、それをしっかりと使ってもらうこと、来年は10月に消費税の引き上げが予定されており、引き上げがあっても、日本の経済、需要を平準化し、景気を安定させなければならず、今年の予算、税制の議論が重要になる。しっかりと皆様の声を聞きながら、予算や税制をつくりあげ、活力に繋げていく。
 今、日本の子供の7人に1人が貧困の中にあると言われており、所得の格差が、結果として教育の格差を生じさせ、教育の格差によって、さらに所得の格差が再生産するという負の連鎖が始まっている。かつて、一億総中流社会などと言われた日本だが、今、格差の負の連鎖で、どんどん社会の格差が広がっているため、この負の連鎖をどこかで止めなければならない。
 最近の話題として、政治の在り方、手法についても考えると、かつて日本は、省庁の縦割り行政で物事が決められないということがあった。日本の政治にはトップダウンが必要だということで、行政改革を進め、政府や官邸に力を集め、トップダウンで時代の素早い変化に対応し、決断できる体制をつくろうという取り組みが進められてきた。ただ、公文書問題等を見ても、トップダウンで官僚が委縮してしまっているのではないか、政府と自民党の関係を見ても、自民党の多くの国会議員の議論が政府に届いていないのではないかという指摘があり、必要な時にトップダウンを使い、必要な時にボトムアップを使う、賢明な使い分けができるかどうかが政治に問われている。
 来年は統一地方選挙、青森県はその後に知事選挙、参議院選挙、そして10月には消費税の引き上げが予定されている。
 また、G20首脳会談は日本が初めて議長を務め、ラグビーのワールドカップが開催され、4月30日をもって平成の時代が終わり、新しい時代がスタートする。
 今年から来年にかけて、青森県にとっても、日本にとっても、重要な時期であり自民党青森県連、自民党にお力添えをお願いしたい。